スペシャルティコーヒー素材買付の旅 ブラジル編①
カップ・オブ・エクセレンスの興奮も冷めやらぬ表彰式翌日、早朝5:00にポソス・デ・カルダスのホテルを出発、サンパウロ国際空港へ向かい、そのまま素材買付の旅に入ります。
今日は移動だけに時間を使います。COE会場のポソスデカルダスのホテルからサンパウロ国際空港まで車で約3時間、そこから国内線に乗り換え、飛行機で約2時間のバーイアへ飛びます。
ブラジル国内ですが、広大な国土がありますのでサンパウロから2000kmくらい軽くあります。
そして、バーイアの空港到着してから、またさらに数時間車に乗ります。
サンパウロからの飛行機は、何十年かぶりのプロペラ機です。ちゃんと飛べるでしょうか。
バーイアの空港ですね。国際空港とは全く違うイメージですね。
バーイアでは、カップ・オブ・エクセレンスで入賞したプログレッソ農園の方が迎えに来てくれました。
シュラスコのランチをご馳走になり、また車で移動します。よく覚えていないのですが、多分3、4時間くらい走ったと思います。
シュラスコ屋さんはブラジルでは定番のビュッフェスタイル(シュラスコは串刺しの肉を食べ放題で持ってきてくれます)だったのですが、日本人にはちょっと恐ろしい、まさかのイチゴの寿司(のり巻き)がありました。こういったものをブラジルでは結構見かけます。
今日、泊めていただく農園のゲストハウスに到着しました。農園に泊めていただくと聞き、どんなところかと思っていたのですが、驚くほどゴージャスなゲストハウスに呆然。
こういったところをお持ちの農園の多くはは大規模農園であり、必ずしもトップオブトップと言える品質のものはどちらかと言いますと得意でなかったりすることもあるのですが、さて実際はどうでしょうか。明日のカッピングが楽しみです。
きちんとしたテーブルセッティングで歓迎を受けました。
豪華なキッチン、炭火のステーキ用グリル、ピザ釜やワインセラーもあります。
カップ・オブ・エクセレンスの途中から、ブラジルの買付にはSCAJ(日本スペシャルティコーヒー協会)副会長の関根さんとBSCA(ブラジルスペシャルティコーヒー協会)会長のシルビオ・レイテさんがつきっきりのアテンドしてくれました。
現在はスペシャルティコーヒー業界の要職にある方たちですが、同時にお二人とも世界的なコーヒーカッパー(テイスター)でもあります。
そういった方達に囲まれ、カップ・オブ・エクセレンスや素材調達にお旅を実現できたことは私にとって何より貴重な体験でした。
カップ・オブ・エクセレンス入賞記念にワインセラーの前で記念撮影しました。
しばし、夕食をいただき歓談のあと、すぐ近くの町に散歩がてら案内していただきました。ちょうど週末でお祭りのような感じで賑わっていました。
街角にあるカフェ。なかなか雰囲気ありますね。
下の写真に写っているリヤカーのような、中途半端な形状のもの何に使うかわかりますか?
正解は、、、こうやって使います。公園の脇に誰でも自由に?使えるように置いてありました。
このように飲みすぎで泥酔した酔っ払いを家まで運ぶためのものだそうです。
こういったものがパブリックに置いてあるところがブラジルですね!実際に使う人がいるということです。
明朝、ゲストハウスで朝食をいただきまして、農園に向かいました。
プログレッソ農園は、ウェットミルからドライミルまでを一貫処理できる大規模な設備を持つ農園で、ある意味ブラジルらしいといえばブラジルらしいところです。例外はありますが、中小規模農園が多い中米諸国では、あまり考えられない陣容です。
しかし、限られたテロワールやきめの細かい生産処理が必須であるトップ・オブ・トップのスペシャルティコーヒーは、あまりに大規模な農園は不向きというのが常識だと思います。
という懸念を若干抱きながら、カッピングへ。
いやー驚きました!さにあらず、素晴らしいロットがたくさんありました。さすがに、今回のカップ・オブ・エクセレンスに入賞されただけのことはあります。
もちろん、COE出展ロットや今回カッピングさせていただきました特別のロットは、生産区画も、育て方も、ピッキングも品種も生産処理も全てを選りすぐったものであると考えられますが、今までの常識が通用しなくなってきていると感じました。
カッピングの結果、その中でさらによかったロットをいくつかを契約してきました。
プログレッソ農園では、現在、ぶどうの栽培もテストしており、実際に作ったワインをランチに飲ませていただきました。
試飲させていただいたのはソーヴィニオンブランという品種で、グレープフルーツやレモンなど果実感のある爽やかさが特徴の白ワインを飲ませていただきました。
世界中で栽培されている品種ですが、個人的にはフランスのものを除くと、特にニュージーランド マールボローという地区で栽培されるものが印象深く、良いものが作られていると感じていますが、香りの印象は異なるものの、ボディ感や果実感はこちらのものの十二分のもので、かなり良いものができるポテンシャルを感じました。
聞くところによりますと、フレンチオークの新小樽で8か月ほど試験的に仕込んだものだそうで、作りにも贅沢な工程をかけていました。
コーヒーとワインのつながりを生産現場で見ることができ、とても興味深かったです。
さて、プログレッソ農園での買付カッピングを終え、これから同じバーイア州でも雰囲気の全く異なるピアタンという小さな町までここから車で約3、4時間移動します。
次のピアタンでは、今回のカップ・オブ・エクセレンス ブラジル 2015 Pulped Naturalsで1位、2位に入賞したサンジュダス・タデウ農園とオーロ・ベルデ農園などを重点にまわります。