コーヒー豆 素材調達の旅 ホンジュラス編 ①
3月中旬に10日間ほどを費やしまして、コーヒー豆の素材調達のため出張いたしました中米の生産国であるホンジュラス、グアテマラへの旅のご報告を少しづつになりますが、アップしていきたいと思います。 また記事のアップデートが遅くなり申し訳ありません。
さて、それではまず何故今回わざわざ10日間も出張して現地に行かなければならなかったのかお話しさせていただかなければなりません。(出張中、様々な方々にご理解、ご協力を賜りました。)
まず、スペシャルティコーヒーを専門に扱うお店として、from seed to cupを実際の目で確認しないといけないということ(それをお客様へお伝えする必要性)。
そしてtop specialty の領域ではその調達において従前にもまして国際間の競争が激しくなっており、たとえそれが中小コーヒーロースターだったとしても現地に出向いて自らカッピングを行い調達するスタイルがあり、ある品質を求める場合、国内にとどまっていては素材調達に限界がくるだろうとかなり以前より強く感じていたからです。
少し専門的になってしまいますが、スペシャルティコーヒーと一口に申しても、生豆の品質レベルの多様化、商品そのものの多様化(生産処理や生産ロットなど商品としての多様化)に伴い新たな競争ステージに入っていると考えられます。
弊店の領域では、スペシャルティコーヒーとして、十把一絡げにしてお客様へご提供ことはもはやできなくなってきております。
ここで誤解しないでいただきたいのは、日本国内のロースターがスペシャルティコーヒー素材を調達する方法はいくつかありまして、それぞれ一長一短があり、どれが一番優れているとは言いがたいのが現状だということです。
国内で調達できる素材(コーヒー生豆)のクオリティ、多様化も進み、関係者の不断の努力により、5、6年前と比べますと、考えられない水準に引き上げられたと申して差し支えないと思います。
スペシャルティコーヒーのカッピング プロトコールの啓蒙に伴い、ロースティングの技術もSCAJなどの活動の中でよりスペシャルティに適正化された方法が共有化されてきております。
そういった意味合いからしますと、今世界で最もスペシャルティコーヒーが充実しているのは実は日本なのかもしれません。
従いまして、従前の調達方法をとっていたとしても品質的にお客様にご迷惑をおかけするようなことは決してありません。 必ずしも、「現地へいかなければ良いものは調達できない」という単純な話ではないのですね。(申しあげるまでもありませんが、カッピングのスキルを持っていることが前提になります。最低限の選ぶ力がなければ、どんな調達によっても選びようがありません。評価するにあたり、独善は禁物です。)
それなら行かない方が簡単でいいのではないか、という考えもあるかと存じます。仰る通り、これも選択肢の一つでしょう。 これ以上はそのお店の考え方次第であるということだと思います。
言い換えれば、お客様へどういうものをご提案していくのか、ご提案していきたいのか、喜んでいただけるのかということにかかってくると思います。 前置きはこのくらいにしまして、次回から旅の内容にしたいと思います。
グアテマラのドライミルにて