マグノリア コーヒーロースターズは、ローストマスターズ チャンピオンシップ 2014でチーム優勝しました!!
先日東京ビッグサイト で開催されましたアジア最大級のコーヒーイベント SCAJ2014(ワールド スペシャルティコーヒー カンファレンス アンド エキジビジョン)。
毎年恒例のコーヒーの競技会 ジャパンカップテイスターズチャンピオンシップ2014、およびローストマスターズチャンピオンシップ2014に参加させていただきました。
年々エントリー者の数が増え、年齢層も若返ってきている各競技会。
レベルが上がってきており、ビッグサイトのステージに上がらせていただくこと自体非常に幸せなことだと感じております。
まずは、ジャパンカップテイスターズチャンピオンシップ2014からいきましょう。
8月に全国地区予選(西日本地区、東日本地区)が開催され、トップ8位に残り、東京ビッグサイトでの準決勝に進むことができました。
9:00に集合し、まずは競技のオリエンテーション、競技順の抽選が行われました。
私は1組目、No.4テーブルになりました。
会場の設営も年々立派になってきておりまして、今回のステージは世界大会と同じ基準で作られたものだそうで、完璧なライティング、大型プロジェクションモニター、音響PAそして競技者を取り囲むようにスタンド席が3面あります。
まだこの時点ではなごやかムード。
みーんな顔見知りですし、普段からなかよしですからね。
まあ、毎度思うことですが、この方たちなら誰が勝ってもおかしくないんです。
カップテイスターズチャンピオンシップのルールは単純、明快。
3つのカップのうち、一つだけ異なる生産国のカップを当てるというもの。計8セット、24カップがテーブル上に置かれます。
しかし、優先される正誤数に加え、正誤数が同じ場合はスピードの速い方が勝つということが、駆け引きを生みます。(早くやればやるほど、間違える可能性も高くなる。)
司会の後藤さんから、何やらインタビューを受けてます。(今年飲んだコーヒーで一番おいしいと思ったコーヒーは?ブルンジ!なんて話をしてます)
準決勝は私の場合スピードはそこそこでしたが、二つ間違えてしまいました。
他の選手も1組目は間違う選手が続出、全問正解者ゼロという異例な展開に。問題も予選よりもかなり難しく感じました。
2組目は、1組目の状況から、ゆっくりしたペースで進みます。(正誤数が優先されます)
結果、カップテイスターズは残念ながらセミファイナル(ベスト8)で敗退となりました。
優勝した男泣きの田原さん(九州)は「日本人のカッピング技術のレベルの高さを証明するためにも必ず世界チャンピオンになります」とのこと。彼はかつて世界3位の経験者でもあり、決して夢ではありません。(世界大会での日本人最高位は、一昨年の佐々木さんの2位があります。海外では、日本人のカップテイスターのレベルは非常に高いと評価されています)
是非ともがんばっていただきたいと思います。
さて、もう一つの競技会 ローストマスターズチャンピオンシップです。
こちらは、他のコーヒーの競技会とは異なり、全国を6つの地区に分け、焙煎に関わる方で構成される「チームで」戦う競技です。
弊店は関東Aチームとして参戦いたしました。
カップテイスターズと同じメインステージで、午後よりスタート。
今回はエチオピア イルガチェフェ コチェレ(堀口珈琲様ご提供)という素材を使用し(同一の課題豆を使用)、チームごとに焙煎をし、競技会当日にそれぞれチームごとに抽出した(抽出方法も自由)コーヒーを観客の皆様に試飲していただき、その得票数で勝負をするというものです。
ですから、焙煎技術を競う競技ですが、その勝敗は仕上がったコーヒーの味で決まります。あくまで、お客様に飲んでいただいたコーヒーの味で勝負するということです。
まずは、チームごとにプレゼンを行います。どういうローストプロファイルを使用したか、出来上がったコーヒーはどんな風味特性を持っているか、採用した抽出方法などの説明を行います。
そして、いよいよ試飲です。
私たちのチームは、イルガチェフェのフレーバー特性をはっきり表現することをコンセプトにし、結果としてローストそのものもあまり深くないものになりました。そういったこともあり、直球勝負のよりシンプルなフレンチプレスでの抽出を行いました。(必ずしも、浅い焙煎が良いという意味ではありません。)
観客の皆さんが一斉に各チームのブースに集まり、試飲が行われました。
人気があるからか、一番早くに売り切れ状態になりました。これは果たしていいことなのか、どうなのか??
観客の皆様も、同じ素材なのに焙煎や抽出方法で大きく味わいが異なることに驚いていたようでした。
それほど、焙煎は味の表現方法として大切なプロセスということですね。(しかし、いくら焙煎でがんばっても、素材のクオリティ以上のものは引き出せないこともまた現実です。)
そして思い思いの自分が一番美味しいと感じたチームに投票をしていきます。
いよいよ発表!上位3チームが発表されました。
3位 関東Bチーム 2位 関西チーム 1位 関東Aチーム!!
ローストマスターズチャンピオンシップでの初の優勝です。
ローストマスターズチャンピオンシップでの勝利は、スペシャルティコーヒー専門店の根幹をなすプロセスの一つであるロースト(焙煎)が評価された訳ですから、これ以上嬉しいことはありません。
今回は前回からの反省を生かし、「実験に走らない」、「エチオピア イルガチェフ コチェレの風味特性を最大限引き出すこと」に重きをおき、全員で価値共有のもと作業を進めていきました。
また、サンプルカッピングの検証による「あるべき姿」を本焙煎のロースティングプロファイル予測を行い、それに従った精密なロースティングプロファイルを再現をし、それが功を奏したこともあります。(ほぼ予測した通りになった)
このことは、焙煎の上達とカッピングスキルの相関性が確実に存在することの証明でもあります。
「何となく」では焙煎は上達しません。仮にたまたまでうまく行くことがありましても、再現性がないので、諸条件が変わった途端に良いプロファイルが再現できなくなります。
焙煎は神がかったマジックではなく、もっと物理的、科学的な作業といえます。(それでも、まだまだ見えない不確実なところが多くあるのも事実なのですが。)
このことを改めて認識し、今後のロースト作業に生かしていきたいと思います。
*SCAJローストマスターズ糸井委員長(右端)と関東Aチームの面々
今回の結果をみて、改めて思うことは、一般のお客様も我々と同じ客観性のあるカップクオリティを確実に評価してきているということです。
ローストマスターズチャンピオンシップが始まった頃は、カップクオリティが高いものが必ずしも一般のお客様に評価されない場面も多々ありました。しかし、今は違います。
また、日本の焙煎技術は世界で最も進歩的であり、かつ安定してきていると言ってもいいでしょう。これは、スペシャルティコーヒー用の正確なカッピングスキルをSCAJが中心になり教育、啓蒙していただいたからに他なりません。
カッピングスキルのレベルの高い国は、焙煎技術もそれに伴い上がっていくということなのでしょう。
焙煎技術は、各マシンの違い、設置環境、生豆のコンディション、種類、気温、湿度など変位要素が多く、スタンダード化することは難しいのです。よって、基本的には客観性のあるカップクオリティをもって各自の環境に基づき、仮説、検証、改善、仮説、検証、改善の繰り返しをするしかありません。
改めて申しあげるまでもないことですが、カッピングスキルと焙煎技術の進歩は表裏一体なものです。
「客観性のあるカップクオリティと近いものをエンドユーザー様が評価されるようになってきている。」
これは具体的に何を意味するのでしょうか。
例えば、レストランやカフェの方など、あるいは接客用など、お客様にコーヒーをご提供するあらゆる業態でより真剣にコーヒーと対峙する必要がでてくるかもしれないということだと思います。
コーヒーを供される側のお客様の方のレベルが上がってきているのですから、当然といえば当然です。
弊店もどのような場面にご使用いただくコーヒーでありましても、周辺ノウハウも含め、万全な対応をさせていただきたいと思います。
来年もまた引き続き競技会には積極的に参加させていただき、スペシャルティコーヒーの祭典を皆さんと一緒に盛り上げていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。