バタフライスツール!
先日偶然にも、連続してお客様にお声をかけていただきました、スツールのお話です。
こちらのスツールは柳宗理さんが1956年にデザインされ、1966年にグッドデザイン賞に輝きました。50年以上変わらぬデザインで商品としても現役を保っている希有なメイドインジャパン製品です。(1991年からサイズを少し大きくして復刻生産)
柳宗理さんの作品はテーブルウエアから大型建造物(橋やトンネル)など様々ですが、実用性をエンジニアリング的に追求した美しさがありまして、個人的にはデザイナーというより技術者の印象があります。
写真のものは、蝶が舞うような姿からバタフライスツールと名付けられたようです。
とてもシンプルで軽いのが特長です。二つのシンメトリーな羽を一対に組み合わせた形です。天童木工が得意としている、プライウッドを金型を用い加圧、加熱成形する技法がとられています。まるで木を鋳物のような感覚で3次元的に成形する感じでしょうか。(あえて、鍛造のようとは申しません。)
弊店の家具の一部は天童木工さんのものを、東京にあるショールームに伺って選定をさせていただきました。その後、株式会社ムトーセーフさんのご協力で納品いただいたものです。
アンティークも考えたのですが、まだ勉強中で目が利かないのと、お店の雰囲気、予算などから天童木工のものを考えました。
他にも天童木工の別の作家のスツールが置いてありますが、これは当時のプライウッドの技術では成形が不可能で最近になって、製品になったものもあります。
小さいお子様、お願いだから蹴っ飛ばさないでね!
バタフライスツール(1956〜):
デザイン 柳宗理 ( Sori Yanagi )
製作 株式会社 天童木工
MoMA(ニューヨーク近代美術館)、パリ ルーブル美術館 パーマネントコレクション(永久収蔵品)
*柳宗理 公式ホームページ、 ウィキペディア