それでも、シェフへ伝わりました!
先日、営業見込み先で食事をさせていただいた後、コーヒーの営業をさせていただきたい旨お伝えしましたところ、やんわり「お断り」をされたレストラン様がございました。
その後、数日経ちましてから、そのレストランのオーナー様から御礼のハガキが届きました。
「今回はお役に立てませんでしたが、今後ともよろしくお願い申しあげます」という趣旨のことが自筆で書かれてありました。
このようなハガキをいただきまして驚いたと同時に、とても嬉しかったです。
「結果としては0点だけど、何か伝わったんだなあ」
経営者としては失格なのかもしれませんが、仕事をいただけなくてもこれは成功したといえると思っています。
スペシャルティコーヒーの味、素晴らしさは現時点で具体的にお伝え出来ていませんが、さらに大切なものが伝わっていると考えているからです。
きっとこの方たちは将来、どこかで素晴らしいコーヒーに出会い、そのコーヒーをご自分たちのお客様へご提供するようになるでしょう。それでいいんです。
「素晴らしい料理には、素晴らしい飲み物で最後を締めくくっていただきたい」
こちらのお店、誤解を恐れずに言うならば、まるでボランティアのような仕事をされていました。結局のところ、より素晴らしく、よりおいしいものをより適正な価格で提供しようとすればするほど、ご自身に(お店に)負荷がかかるということです。
それがレストランであり、食べ物を提供する仕事なんだと思います。
そういう仕事をされておられるお店に出会いますと、思わず手を合わせたくなります。
メインや前菜などの料理だけでなく、ボトルワインは勿論、グラスワインの質と価格、バゲットやイタリア料理でしたらフォカッチャ、グリッシーニの質などにも「気持ち」は如実に現れます。
だからこそ、その努力を無駄にしないために、締めくくりのコーヒーの最後の一口まで気を抜いてはいけない。
もしも、最後の飲み物でお客様の印象を悪くなってしまうとしたなら、あまりにもったいない。残念至極です。
一人の食べ物好きとして、何とかしたい。それだけです。