プレス抽出について ①(抽出方法の色々)
コーヒーには様々な抽出方法があります。日本で主流なのはペーパーフィルターを使用したドリップでしょうか。あるいは、本格的な喫茶店などはネルを使ったドリップをされているところもあります。
抽出には様々な考え、理論、結果としての味わいの特徴がありどれが一番ということはないと思います。色々お試しいただいて、ご自身で良いと思うものをお選びいただければ良いと思います。
私のお店のテイスティング スペース(現在テイスティングはお休み中です。)ではbodum社製カフェプレス(フレンチプレス)で抽出しています。現時点ではこの抽出方法でいれたスペシャルティコーヒーが一番好きだからです。
ただし、フレンチプレスの場合、使用する素材の品質が素晴らしいものであることが前提になります。
プレスの場合はより素材を選ばなければなりません。品質の善し悪しをはっきりと出してしまう抽出器具だからです。
金属フィルターを使用し、コーヒーからより自然に溶出する液体を作るこの方法は、他の方法と比較してスペシャルティコーヒーの持つ、ユニークなフレーバーを楽しむことに向いています。
逆に言えば、素晴らしい品質のコーヒーさえ入手できれば、ぶれる要素がより少なく、最も簡単に、どなたでも安定した抽出が可能です。
今後もっと良いものが発明されたら、乗り換える可能性もありますが、基本的な考え方として、どのような抽出方法でありましても「より簡単に、よりおいしいコーヒーができれば良い」と思っています。
抽出方法そのものにこだわりは全くありません。
日本ではまだ一般的ではありませんが、金属フィルター+バキュームを利用したクローバーという機械もあります。
bodum社の製品はプレスの先行開発メーカーらしく、金属フィルターメッシュの粗さの巧みさ、メッキパーツなどの品質が高いと思います。リプレイスパーツの供給がしっかりしていることも使わせていただいている理由の一つです。
シカゴ インテリジェンシアでのクローバーによる抽出
また、やはり北欧のメーカーなのですが、エバソロという抽出器具もあります。これも金属メッシュを使用するところは一緒なのですが、プランジャーを押しさげるという動作がありません。プレスより若干ですがさらに軽めに入る傾向があります。
同じメーカーでティーメーカーという紅茶用の器具もあるのですがこれも優れものです。北欧は寒い場所のなので、お茶の文化が発達している感じがいたします。これらの製品はデザインが優れているだけでなく、機能面と両立しているところが他にはあまりない特長だと思います。