チョコレートのテイスティング!? ②
さて、昨日の続きです。
テイスティングの結果ですが、面白いものとなりました。
今回のフランソワ プラリュの「ピラミッド トロピック」には10種類(10カ国)のカカオの産地が入っていました。
日本でもおなじみのガーナとか、先日弊店で販売させていただきましたバレンタイン シュトーレンに使用した仏製チョコレートにも使用されておりましたベネズエラも入っています。
他にもエクアドル、トリニダード、マダガスカル、パプア、インドネシア、サオトメ、タンザニア、コロンビアなどがありました。
コーヒーの産地とかなり重複してますし、チョコレートを作る際には原料のカカオの果実の種子を焙煎機でローストするようですし、多くの共通性があるようです。
それぞれ、テロワールやカカオの品種でしょうか、味覚の差がはっきりと出ております。例えば、トロピカルフルーツ、キャラメル、ナッツ、などなど産地によって違う様々なフレーバーが感じられました。75%とカカオの高い純度も手伝って、酸もきちんと表現されていたと思います。
やっぱり質の高い酸は明るくて、爽やかです。
少し寒い(10℃前後)の環境でやったのですが、もう少し暖かい方がより分かりやすいかったかもしれません。
さて、そんな中で特に面白いと思いましたのは、インドネシアです。口に入れた瞬間、他の国とは違う味の感覚があります。感じ取れたフレーバーはタバコ、スモーク、土、木の皮、メディシンなどなど。
これらのフレーバープロファイルは、コーヒーにそのまま当てはめますとテイント(欠点)になってしまいますが、チョコレートの場合はそんな感じではありません。個性の一つ(特長)としてきちんと成り立っている感じがします。
さらに面白かったのはこれらのちょっとワイルドなフレーバーの雰囲気は、まさにスペシャルティコーヒーにおけるインドネシア(マンデリン)のプロファイルの雰囲気が似通っているということです。両者とも、ちょっとクセがあって、大地を感じさせるワイルドさもあるのですが、その上でクリーンな味をギリギリ保っているという危うさがいいです。
舌の上の感覚(マウスフィールといいます)もシルキーというよりは、ベルベット、もっと粘性の強いバタリーな感じさえしました。これもマンデリンと似ています。
いやー、テロワールって面白いですね!
かくして、チョコレートもワインやスペシャルティコーヒーと同じように産地のテロワールの違いによる味の多様性を楽しむことができるということを体験させていただきました。また、新しい気づきです、勉強になりました。
今はコーヒーでやらなければならないことが山積していますので、すぐには手を出せませんが、将来は是非テロワールがらみでチョコレートや紅茶もやってみたいと思います。
余談ですが、やはりいただきましたあるお店のダージリン オータムナル(秋摘み茶)はすごかったです。ダージリンのマスカットフレーバーをダイレクトに感じましたし、スペシャルティコーヒーにも共通する素晴らしい透明感もありました。本物のフルリーフティー恐るべしです。
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