コーヒーって豆ですか? ③
さて、今日は生産処理の中の「乾燥工程」にスポットをあててみたいと思います。前回の②で精製についてかなり大雑把にご説明しましたが、コーヒーチェリー → 果肉除去処理 → パーチメント → 乾燥 → 脱穀 → 生豆(なままめ)となります。例えば、この乾燥プロセスだけとってみましても多種の方法があり、それぞれ長所欠点が指摘されます。よく天日乾燥という言葉が聞かれますが、これだけでは具体的にどのような方法で天日乾燥が行われたのか判断できません。土の上なのか、コンクリートの上なのか、撹拌、押し広げるのに人力なのかトラクターなのか、あるいは動物に引かせるのか、雨対策はどのようになされているのか?機械乾燥の場合も燃料は重油なのか灯油なのか、機械の種類仕様は??
コーヒーは脱穀する前に均一に押し広げられて、乾燥させる必要がありますが、
これらどの方法を選択し、その欠点をどのように具体的にカバーしたかによって、コーヒーの味に与える影響に差が出ます。
現在、最も品質面で推奨されている乾燥方法はアフリカンベッドと呼ばれるタイプです。アフリカの農園で広がった手法だからそのように言われているようです。この方法は物理面で優れているのと同時に、棒をたててネット(コーヒーのベッド)を張るだけですからコスト面でも優れていそうです。通風も上下からすり抜けられますし、重いものが乗られて広げられることもありません。要するに豆が傷つけられる可能性が低いということだと思います。
このように乾燥方法だけをとってみても、「品質劣化の機会」が数多くありそうですね。
また、アフリカンベッドを採用すれば必ず素晴らしいコーヒーになるという意味ではありませんのでご注意ください。あくまでも、今回は乾燥工程だけにしぼった説明です。
下記の画像はアフリカンベッドの様子です。人の手が届く範囲に全てのコーヒーがあることが分かります。
次回は生産国でのカッピングです。
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You Tubeの動画は、パーチメントを人力で押し広げ撹拌している様子です。牛や馬、トラクターなどに引かせる場合もあります。