業務用コーヒー ②
もうひとつ、これは業務用に限ったことではなくご家庭用でも同じなのですが、特にレストラン様などで使用される場合のコーヒーに関して重要なポイントがあります。
それは冷めたときのコーヒーの味の印象の変化です。
食べ物、飲み物の味は温度が熱いとき、冷めたときほとんどの場合変化します。これは対象の食べ物の味そのものの変化と同時に人間の味を捉える感覚が温度によってそれぞれ感じやすい温度領域が異なっていることが考えられます。
そして、たいていの場合、コーヒーなど特にそうなのですが、冷めたときに味は劣化しやすくなります。冷めてくると、熱いときには感じられなかった嫌な風味(例えば酸っぱかったり、泥のような感覚だったり)が出てきます。
スペシャルティコーヒーの場合はこの味の劣化が最小限であるということです。冷めても味が悪くならない(なりにくい)。
それほど多くはありませんが、冷めて評価が上がっていくコーヒーもなかにはあるくらいです。このようなスペシャルティコーヒーは、スペシャルティの中でも上等な部類に入ります。
お客様は熱いコーヒーを一気に飲み干すことはされません。多くの場合、デザートなどを食べたり、歓談されながらゆっくりと飲まれます。結果、最後の一口、二口はかなり冷めてしまっていることが多いのです。
本当に食事の最後の締めくくりが、味覚にとっては厳しい条件の「冷めた」状態のコーヒーだったりするわけです。この状態でもおいしさ、すばらしい印象を保っている必要があるのです。この最後の印象がお店の印象を決めるといっても過言ではありません。
ご家庭やオフィス用などのお客様歓待のためのコーヒーでも同じことがいえます。
また、どんなに味が良くても業務用の場合、「コスト」を無視することはできません。しかし、今のところは既存使用のものと比較されて「そんなに変わらないのですね!?」とおっしゃっていただけることが殆どです。
「ハレ」の日の外食。お客様はどういうことを求められてお店にわざわざ足を運ばれるのでしょうか。
これらの部分で、少しですが、きっと貢献させていただけると信じております。
業務用コーヒー③へ