クルマとコーヒーのおいしい関係??
ときどき、ある自動車メーカーの研究開発ドライバーの方がご夫婦で遊びにきてくれます。元全日本クラスの自動車競技のチャンピオンでもある方ですが、物腰はやわらかく、冷静かつユニークな方です。
たまに官能評価の話になったりするのですが、車もやはり最終的には人間が操るもの。運転が上手な人も、初心者の方も色々な人が乗るのですが、やっぱり人間が操作する訳です。今は、様々な理論や測定装置、データ化が進んできているでしょうから、どうしてもデータ主義になりがちです。
しかし、どんなに優秀な機械があるとしても、人間の感覚には遠く及ばないでしょう。100年先でも人間の官能と測定したデータが完全にイコールになるかはかなり怪しいですね。勿論、傾向をつかんだり、量産化する際の投資保障的なものとしても必要でしょうし、報告書などには客観性のあるデータは絶対必要だと思います。エンジンもシャーシも全てがデータの積み重ねと言っても過言ではないと思います。
しかし、人間の感覚ほどは機械は優秀ではないでしょうから、正確に走れるドライバーのチューニング、最終評価、調整はどうしても必要です。
「開発ドライバーの能力以上のクルマは作れない」というのは業界の定説です。(でした!?)
クルマやコーヒーに限らず、多くのオーディオ製品などもそうですが、とくに一般のエンドユーザーが使用するものは多かれ少なかれ官能評価をきちんとしませんと、どんなにスペックとしては優秀ではあっても本当の意味での良い製品にはなりません。
さて、コーヒーも似たようなところがありそうです。コーヒーは人間の目、舌、鼻などで味わいます。つまりこれも官能評価なんですね。最終的には店主が自分の官能評価を頼りに、仕入れ、焙煎、ブレンディング、お客様への説明などをしていきます。そういう意味でスペシャルティーコーヒーのビジネスにおいては全て、官能評価が基礎にあります。官能評価に客観性を持たせたり、評価レベルを上げるには、経験を積み上げていくことが大切だと思っております。
「ドライバーもカッパーも一日にしてならず」というところでしょうか。「必要になってから育てる」では遅いということですね。
画像はカッピングフォーム(評価シート)です。これらのカッピングフォームに従い、具体的な味覚評価をします。
官能評価のヒント(過去ログ)
http://magnoliacoffee.weblogs.jp/blog/cat2917926/index.htmlスペシャルティーコーヒーとは
http://magnoliacoffee.weblogs.jp/blog/2008/06/post-7eef.html資格を持っているコーヒー屋はおいしい?