スペシャルティコーヒーは非常識!?
先日、マンデリン(インドネシア リントン)を通信販売でご購入いただきましたお客様より、メールにてご感想をいただきました。
*たまたま今回はマンデリンの反響を続けていただきましたので、マンデリンを取り上げたいと思います。
掲載を許可していただきましたので、ご紹介させていただきます。(メールより一部抜粋、原文のまま)
「先日自宅用に注文したキュヴェ™ マンデリンは
軽やかで、するすると飲めますね。
マンデリンを飲んで、美味しいと思ったのは
初めてだと思います。
これからも昔からある
銘柄の豆の記憶を良い物に変えたいと思います。」
ありがたいご感想をいただきまして誠にありがとうございます。
「記憶を良いものに変えたい」なんて本当に光栄です。
味わいとしても、「軽やかでするする飲めるマンデリン!?」とのご感想をいただきまして、本当にうれしいです。
また、いつもワインでお世話になっている、こと味に関しては一家言お持ちのk様からも、こんなメールをいただきました。
「マンデリンですが、先日申し上げた通りこれまでマンデリンというと、
正直のところあまり美味しくないコーヒーというのがイメージでした。
他の産地には無い味、それも好ましい味ではなく、むしろ嫌な味
が多く、何度か試してはみたもののこれまで敬遠してきた産地で
した。
ところが、今回いただいたものを飲んでみて、印象が一変しました。
細かく言うときりがありませんが、それなりにバランスがとれ
ていて、とにかく心地よい味ですね。
今回はマンデリンを見直しました。」
こちらの方からは、「心地よい」というご感想をいただきました。
先のお客様の「軽やかでするする飲める」と「心地よい」は言葉そのものは違いますが、同じことを感じておられるご感想だと思います。
そして、スペシャルティコーヒーの特長をよく示しておられると思います。
マンデリン(インドネシア)は、一般的には、いくつかの理由で重たい味わいのことが多いのですが、そういったものばかりではないということを体験していただけたということに喜びを感じました。
この「お客様にこの驚き、感動を体験していただくこと」こそがスペシャルティコーヒーの真骨頂であり、大切な部分なんです。
さて、感動と一口で申しあげるのは簡単ですが、なぜ、あるいは具体的にどういうときに、人は驚いたり、感動したりするのでしょうか。
私なりの結論は、
「事象により、その人それぞれの今までのご経験の中で得ている既成の概念から、無意識のうちに予想される結果があり、それ以上の素晴らしい体験ができたとき、驚きや感動に結びつく」
と考えております。
そして、その人それぞれの「予想される結果」との落差が大きいほどに、その感動や驚きの度合いも大きくなるのだと思います。
これらのことは、学問的に正しいかどうかは分かりませんが、以前ある商品を通して「どういった付加価値を与えたら、お客様に感動や喜び、さらには誇りを感じてもらえるだろうか」という仕事をしていたときに体験的に導き出されたものです。
そして、このことはコーヒーや味の世界だけでなく、サービスや他の商品など色々なところで共通するものと考えています。
さて、先日のブログでは、アイスコーヒーにつきましても、深い焙煎のものだけでない新しいアイスコーヒーの可能性を示しましたが、今回も既存のものとは少し違う印象をお持ちいただけたなら幸いです。
高品質なコーヒーは、今までの常識が当てはまらないことがごく日常的でございます。
実は、このマンデリン(インドネシア/リントンの一部など)、本来素性としては、さわやかさ(酸)の強度が高く、このさわやかさの質によって、焙煎度の限度(方法)が決まってくる感じがしております。
フレーバー(香り、味わい)の傾向は全く異なるのですが、品質の高いインドネシアを少し浅めにローストした場合、冷めてきたときにはケニヤの爽やかさの感覚と似ているとさえ思うことがあります。
一般的には、ある意味ケニヤとインドネシアは真逆のコーヒーと思われていると思いますが、意外ですね。
ただし、お客様にこういった面白い体験をしていただき、楽しんでいただくためには、素材の品質の高さが、ユニークさがベースにどうしても必要です。
私たちは魔法使いではありませんので、その素材であるコーヒーが持っている品質、キャラクター以上のことは何もできないのです。
そして、品質を磨くために、途方もない努力を日々されているまだお会いしたこともない遠いコーヒー生産国の方たちに感謝しつつ、お客様にこういった興味深い、楽しい体験をしていただく機会を作っていこうと思います。