ワイン ミーティング!
今日は久しぶりにワインのお話です。
さて、コーヒーを学んでおりますと、ワインと共通の部分も多く、先んじているワインの世界には学ぶこと、参考にすると役立ちそうなことなどがたくさんあると思っています。
そういった中で、日常飲んでいるテーブルワインとはまた違う世界の素晴らしきワインを体験させていただくのは、味覚の世界に生きるものとして、本当に代え難い経験なのです。
ありがたいことに、素晴らしきワインと料理を楽しむ会に再びお招きいただきました。
まずはシャンパーニュから。
今回はクリュッグではなく、コンテス ラフォン です。
いつものクリュッグとは比較できませんが、やはりシャンパーニュ、さわやかさの中にしっかりとした果実感が感じられます。わずかに、トーストしたニュアンスがあっていいです。
白はムルソーです。まずは、メンバーの方が持ち込まれたフィリップ パカレ。
いわゆる自然派ワインですね。フィリップ パカレといえば自然派を語る上では外せない方の一人です。真偽のほどは分かりませんが、ロマネコンティの醸造責任者のポストのオファーがあった人物といわれております。
味わいは、ムルソーらしいしっかりとしたボディなんですが、複雑なフレーバー感や、自然派らしいジューシーな感覚もございました。
そして、もう一種、ムルソーです。アルノー・アントです。
ムルソーでは若い、新規の作り手ですが、非常に注目されている方の一人です。
ムルソーでは、コント・ラフォン、コシュ・デュリーが2大作り手として君臨しておりまして、そこに割って入ってくるか、どうかといわれているほどの作り手であります。
そういった前評判を聞かぬとも、ズシンとくるまず香りのインパクト、そして十分なボディ、マンダリンオレンジ、オレンジピールやバニラのフレーバー、余韻も長く、素晴らしいムルソーでした。
そして赤ワイン。まずはボルドー ポイヤック村のシャトー・グラン・ピュイ・デュカスです。
畑の一部は、ムートン・ロートシルトとラフィット・ロートシルトに接しているテロワール。
クラシックな作り手のように感じたが、味わいは端正で、手堅く、しかし、多少新樽の華やかさも感じられる素晴らしいボルドーでした。
さて、いよいよ今日の主役の登場です。
シャトー・シュヴァル・ブランです。ヴィンテージは1983年。
ボルドー サンテミリオン地区のグランクリュです。
ボルドーといば、5大シャトー(ラトゥール、オーブリオン、ムートン、ラフィット、マルゴー)がつとに有名ですが、このクラスに匹敵するか、場合によっては凌駕する評価を得る可能性がある偉大なシャトーの一つがこのシュヴァル ブランです。
ボルドーといいますと、典型的な味わいの象徴は「骨格がしっかりした」「フルボディ」の等が浮かぶのですが、このクラスのボルドーでは、最初の一口でそういった印象を持つことは、非常に少ないと感じております。(最小限の熟成を経ていない、極端にタンニンが強い段階でのものを除く)
むしろ、繊細で、軽やかで、爽やかな印象なことが殆どです。
今回のシュヴァル・ブランもまさにそういった味わいでした。
最初はなかなか開いてくれないんです。デキャンタージュして、少し経ってだんだん力を発揮してきた感じです。そして、ピークは長くはなかったですね。デリケートで繊細です。
このシュヴァル・ブランはサイド・ウエイという面白いワイン映画のラストシーンで、主役の傷心したマイルスがとっておきのコレクション、シュヴァル・ブランをファーストフード店で開けて飲んでしまうという、何とももの悲しい、しかし重要なラストシーンに使われております。
この83年のシュヴァル・ブランをレストランなどで開けるとなりますと、一財産散財する必要があります。
本当に素晴らしい体験をさせていただきました。
最後に、遺産相続を狙っている(冗談です)トルコ ヘレケのシルク絨毯を。そんなにたくさん絨毯を見た訳でも、造詣がある訳でもないんですが、どんなものでも本物は全然違いますね。