スペシャルティコーヒー素材買付の旅2016年 ⑤(グアテマラ)
グアテマラ シティ近郊のドライミルをお昼過ぎに出まして、バスの中でファーストフードを頬張り、8時間くらいかかりましたでしょうか、夜10時くらいにようやくメキシコとの国境近くのウェウェテナンゴに到着しました。
到着後早々にホテルにチェックインをし、夕食をすませ次の日に備えます。
ウェウェテナンゴの位置は、以下の地図をご参考まで。
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ウェウェテナンゴのいつものホテルです。すぐ裏手に山々が見えます。
素朴でシンプルな宿ですが、いごごちが悪いことはありません。
朝食はパンケーキを作ってくれます。
これもシンプルな朝食ですが、なかなか美味しいんです。調理が丁寧なのだと思います。
見た目が豪華でも、おいしくないものもたくさんありますから、こういった食事を食べさせていただきますとほっとします。
コーヒーも産地でいただくコーヒーとしては、それほど悪くはありません。
意外と思われるかもしれませんが、生産国にとってコーヒーは、毎日を暮らしていくための糧となる外貨を稼ぐための輸出品ですから、ある程度以上の価格で取引できる高品質なものは一般的な国内流通をしていないことが多いのです。
農園によっては、素晴らしいコーヒーを出していただけるところもありますけれども。
この写真を見ていただくとご理解いただけると思うですが、生産国内消費用または低グレード品に回されるチェリーです。この色でチェリーとは言い難いですが、これが現実です。
ほとんど未熟豆しか入っていません。
選別の際に出る未熟豆だけを集めたということだと思います。
こういったコーヒーを飲んでいる方が世界的にはたくさんいらしゃるということも事実として是非知っていただきたいと思います。
先にのせてしまいますが、今回訪問したインヘルト農園のチェリーです。
このような均一な完熟した果実を目でみてピッキングしていきます。
最高峰の農園との比較はかなり極端な例ではありますし、熟度だけで味が決まるわけではありません。しかし、美味しいコーヒーとそうではないコーヒーには、どうしてそのような違いが生まれるのか、必然性があることはご理解いただけると思います。
コーヒーの場合、生産工程に回した段階で、ナチュラルプロセス以外のチェリーは皮を除去してしまいますので、完熟したものも、そうでないものも見分けがつかなくなります。
ましてや、ロースト豆の外観だけでは味に関する品質チェックなど全くできないということです。
熟度だけで味は決まらないと言いましたが、未熟豆では決して美味しいコーヒーにはならないことも付け加えたいと思います。
朝食はホテルのテラスのような半アウトドアの二階部分にあるレストランでいただきます。
レストランから見たところ、こんな風景ですね。
ペニャロハ生産組合で、昼食をいただきました。
カレーのような煮込み料理でしたが、貴重な七面鳥を出していただきました。
昼食後に農園をぐるりと。
途中まで、ピックアップトラックに荷台に乗っていきました。
危険なので日本ではNGですが、グアテマラでは合法です。
次に伺いましたのが、エスペランサ農園です。
パカマラ種が有名な農園のですが、他にもブルボン種のコーヒーや一部ゲイシャ種などにもトライしておりました。
今後が楽しみですね。
ここ数年、中米においてもより果肉を残した乾燥方法が取り入れられております。
コスタリカに代表されるブラック、レッド、イエロー、ホワイトなどと称されるハニー製法や果肉、果皮を完全に残したまま乾燥させるナチュラルです。
エスペランサ農園でもナチュラルにトライしておりました。
下の写真は、7,80Kg以上はあるかと思われるチェリーを担いで山道を下りてくる労働者の方です。
腰を壊さない様に、重量挙げで使う様なサポート用の腰ベルトをしていましたが、平均的な日本人では仮に持ち上げられてもこの距離をしかも山道を下りてくることは多くの場合不可能でしょう。
おいしいコーヒーをつくるための生産現場は、標高が必要で、その場合山間部になってしまうことが多く、傾斜もきつくなり労働環境としてはとても悪くなります。
私たちが想像できないほど、その環境は過酷です。
エスペランサ農園の現農園主のヴィジャトロさん、先代のお父さん。
お父さんの時代には車もなく、馬車で険しい山道を登って、下りてコーヒーを売りに行ったそうです。
大変苦労されたうえ、カップオブエクセレンスの数々の入賞など経て、今では名声を得た農園になりました。
そして、次世代農園主、美しいお嬢様も険しい山の中で逞しく育っていました。
これからも安泰ですね。
さて、エスペランサ農園を後にして、ウェウェテナンゴの山道を2時間くらい下りまして、夜のメキシコ国境に行ってきました。
少しの間メキシコに入国し、コロナビールを。
コロナビールの独特なライト感じ、好きです。ライムはありませんでした。
明日は、早朝より世界遺産でもあり、伝統的なコーヒーの名産地でもあるアンティグアに向かいます。