スペシャルティコーヒー素材買付の旅2016年 ④(グアテマラ)
さて、ホンジュラス サンペドロスーラ発夜8時くらいの便に乗り、2カ国目のグアテマラの首都グアテマラシティを目指します。
ホンジュラスからグアテマラへの便ですので国際線ですが、飛ぶ距離がそれほど長くないせいかプロペラの小型機でした。中南米のローカルラインはプロペラ機を使ってきるところが結構あります。
グアテマラシティのホテルにチェックインしたのは10時を回ったあたりでしょうか。ホンジュラスと比べますと、グアテマラは経済的に豊かなところもあり、首都には金融街があったり、高層ビルも建てられています。
が、文化的な生活も今日だけで、明日から移動するウェウェテナンゴはなかなか良い場所にあるんです。
今日は都会ですので、普通のホテルで。
グアテマラのgallo(ガヨ)というグアテマラのナショナルビールで乾杯し、床につきました。
翌朝、朝食を食べたあとすぐに、ドライミルの事務所でカッピングです。
なぜか、カッピングルームにテレビカメラが入っていたり。
時間がきましたので、移動です。
乗り降りの際、車の前と後ろにはショットガンを携えたセキュリティが必ずガードにつきます。
場所にもよりますが、グアテマラシティの治安は決してよくありません。
昼前にここでのカッピングを終え、車で1時間くらいのところにありますドライミルに行きました。
ドライミルとは、コーヒーフルーツから取り出した種子の部分、ドライパーチメントを生豆に加工する脱穀所のことですが、単純に脱穀するだけでなく、いくつもの最終選別、様々な種類のパッキング(麻袋、グレインプロバッグ、アルミバキュームバッグなど)、をするところでもあり、スペシャルティコーヒーにとって重要なプロセス担う場所のひとつです。
ただ、順番からしますとこれからお話しするドライミルでの選別は、コーヒーの品質が形作られる様々な断面での最終工程に近い部分での選別になります。
ドライミルの前に、農園あるいは精製所でのウェットミルによる選別、ピッカーによる手摘みによる熟度の選別、畑の区画(どのようなテロワールの区画に植えるのか、施肥は?土壌特性は?標高は?など)、苗床のクオリティ、品種は?などなど、品質向上のためにしなければならない選別プロセスは多種多様にあります。
ここにあげさせていただくドライミルでの選別は、そういったものの中のより川下に位置する選別の一工程であることをご了承ください。
振動選別機です。
落ちてくる箇所によって、欠点豆を選別できるようになっています。
下の写真をご覧いただけるとご理解いただけると思うのですが、上が欠点豆が入ったもの、下が選別され欠点豆が(ある程度)除かれたものです。
ドライミルによる選別段階であっても、スペシャルティコーヒーでこれほど欠点豆が含まれていることはありませんが、ご理解いただくための例ですね。
誤解のないように申し上げておかねばなりませんが、元の素材がコマーシャルコーヒーである以上、下のように選別されたからと言って、スペシャルティコーヒーの品質を得ることはありません。
外観上の欠点が取り除かれるだけです。外観上のどれだけ綺麗出会っても、スペシャルティコーヒーのクオリティを得ているかどうかは、あくまでカッピングをしてみなければ分からないということです。
どういった品質の生豆を選別機にかけるのかが、まず重要なことであることは申し上げるまでもありません。
これだけでは完全ではありませんので、合わせて光学式選別機を使用したり、風力選別機を利用したります。
要するに、選別の原理によって、より分ける欠点豆の種類に得手不得手があります。
例えば、風力式は比重の軽い不純物を吹き飛ばすことによって選別しますが、比重が生豆と変わらない欠点を取り除くことができません。
様々な方式の機会を組み合わせることによって、よりパーフェクトな選別を行っているのです。
以下の写真はコンピュータ制御の光学式選別機ですね。
これらの多種多用な方式の選別を経たのち、最後は人間の目に頼ります。
やはり、人間の目にはかなわないところがあるのでしょう。
上述した、機械の方式による得手不得手を超えて、最終的には経験の深い作業者の目で取り除きます。
ガヨ(今度は缶)で喉をうるおし、約8時間かけてメキシコ国境近くのウェウェテナンゴまで車で大移動です。
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