コーヒー豆の保管方法について
コーヒー豆の保管方法ですが、コーヒーの香りや味わいの主成分を担っております、コーヒーオイルの劣化をいかにゆるやかにしていくかということが主な目的になります。
コーヒーオイルはフルーツの種子であるコーヒー豆が発芽する際の栄養分として、蓄えているもので、この成分の酸化を遅らせ、良好に保つことが大切です。スペシャルティコーヒーの場合、コーヒーオイルの品質そのものが高く、これを味わうためにすべてがあると申し上げても言い過ぎではありません。
香りの成分(芳香)は揮発性であり、オイル分は酸素と結びつくことにより劣化していきます(酸化)。
これらの現象は、温度が高いほどスピードが増す傾向がありますので、温度を下げてあげることがまず重要です。
(以下の方法をとっていただいたとしても、劣化が起こらないということではありません。劣化のスピードが緩やかになるだけですので、やはり少しでも早く飲んでいただくことが大切です。)
そこで、弊店でご推奨いたしております保管方法ですが(絶対無二の方法ではありません)
豆でご購入いただいた場合:
季節にもよりますが、焙煎より概ね1週間〜10日間程度分は常温(冷暗所)保管していただき、それ以上消費にかかる分は冷凍庫または冷蔵庫へ。(冷蔵庫の場合は、開け閉めの頻度が高く、湿度、温度が安定しないまた、様々な匂いの成分があるため、より容器の密閉性を高くしてください。)
夏場など、冷暗所の確保が難しい場合は冷凍庫、冷蔵庫へより短期間のうちにに入れてください。
粉でご購入いただいた場合:
冬季以外は、すぐに冷凍庫へ入れてください。
パックを開ける前あるいは、容器が完璧な密閉性を保っている場合は「冷蔵」庫でもよろしいかと存じますが、冷凍庫の方が安全です。
温度が低いほど、香りの成分が長持ちする傾向のデータがあります。
冷凍保存された場合も、焙煎により水分は殆ど残っておりませんので、解凍の必要はございません。(万が一凍った場合、吸湿などの不具合が生じている可能性があります)そのままお使いください。
ただし、冷凍、冷蔵いづれの場合もご注意いただきたい点がございます。
必要量を容器から取り出した後、空気を抜いて(弊店のパックの場合)、しっかりとジッパーを閉じ(フタを閉じ)密閉をしたあとに、すばやく冷蔵庫または冷凍庫へ戻してください。
これは温度差による結露を出来る限り防ぐためです。
加えて、別途コーヒーの容器をお使いの場合は、出来る限りコーヒー豆を新しく詰め替える際には、ご面倒でも都度洗浄してください。容器壁面についたオイルがやがて酸化し、それが新鮮なコーヒー豆(粉)に付着し、やがてカップの中に落ちることで味を汚すことがあります。
また豆と粉の差ですが、これは粉にしたときの空気に触れる断面積の大きさを想像していただきますとわかりやすいかもしれません。
同じ焙煎豆を同じ環境で保管した場合、豆のままの方が何倍も長持ちします。(そばを挽きたてで打った方が良い結果が得られるのと同じことです)
おいしいコーヒーを飲んでいただくために、どうかコーヒーは生鮮食品とのご理解を賜りまして、接していただければ幸いです。
*弊店のアルミストックパックについて
弊店でコーヒー豆をお渡しする際のアルミストックパックは、酸素不透過性をもった特殊な素材を使った専用パックです。さらに、ワンウエイバルブ付きとなっており、こちらはローストされたコーヒー豆から発出される炭酸ガスがパック内に満たされることにより(バルブがありませんと、破裂することがあるため)、開封までの間になりますが、ある程度劣化を防ぐ役割を持っております。
(焙煎したてのコーヒーは、自ら炭酸ガスを放出するために真空パックにすることはできません。)