アッサンブラージュとは ③
話を戻しましょう。
やはりブレンドするにしてもある一定の考え方のもとに行われるというのもアリではないか、特にスペシャルティコーヒーの品質を考えたときには良い結果が出るのではないか。
私は生産国にまだ行ったことがありません。正確に申しあげますと、ケニヤ、インドネシアなどコーヒー生産国に行ったことはあるのですが、それはあくまでもコーヒーの仕事をする以前の話。
ですから、生産者の方とお会いしたことは何度かあるものの、どう思っておられるかなど、軽々しくここで書くべきではないとも思います。
が、あえて申せば、自分であれば、出来る事なら手塩にかけたすばらしいコーヒーを消費国で本当は混ぜて欲しくはないと思っておられるのではないか、混ぜるにしてもある一定の法則があっても良いのではないだろうか、という結論にいたりました。
我々ロースターが普段買い付けの判断のためにやらせていただいているカッピングも少なくとも、シングルオリジンです。ブレンドされたもののカッピングで買い付けを決めることはありません。
ブレンドのカッピングも勿論やりますが、それは商品の検証としてのカッピングですね。
現在、コアなごく一部のスペシャルティコーヒーの世界では、地域、地区、農協、生産処理所、農園、生産処理方法(国によって異なります)、ときに品種ごとの限定されたテロワールかつ精度の高い生産処理がなされたコーヒーを入手できるようになってまいりました。
これらは、生産国および消費国のスペシャルティコーヒーに真摯に取り組む先人の方達が長い年月をかけ獲得された努力の賜物でありまして、我々はその下に素晴らしいコーヒーをお客様にご提供させていただいているということを露すら忘れてはならないと思っています。
そして、そういったことを礎に、新しい試みとして、この限定された区域、地区、農園,農協(生産国によって異なる)でのみ作られたブレンドをアッサンブラージュ®という名前で商品化いたします。