ぎんぽう!
ぎんぽう、ギンポウ、銀宝などと書きますが、江戸前の天ぷらネタの代表ですね。
天ぷらネタの代表格なんですが、実際にはあまり天ぷら屋さんでもお目にかかることは少ないかもしれません。私も目指して行っても、数えるほどしか巡り会っていません。
そんな中先日、10年以上のおつきあいになります、お隣の足利市の居酒屋さんの親方から電話をいただきました。
「活きたギンポウを市場で見つけたので、よろしければ食べに来てください」
当たり前すぎますが、乗らない訳はありません。この類お話、私にとっては最優先事項の一つであります。
前回こちらでは本ミル貝(ミルクイ)と白ミル貝(ナミガイ)の食べ比べをさせていただきました。ギンポウと同じように、本ミルは殆どお目にかかりません。
通常ミル貝といわれて並んでいるものは、多くの場合、白ミル貝なんですが、同じ二枚貝でなおかつミル貝という呼び名なのですが、本ミル貝とは種別も異なり、違う貝なんですね。
前回の食べ比べ。左が本ミルで右が白ミルです。下の写真は、一仕事した本ミルのヒモですね。
別物の貝ですので、当然ながら味も異なりまして、本ミルの方が濃い、しっかりした味わいです。
でも白ミルがおいしくない訳ではありません。白ミルには白ミルのさっぱりしたおいしさがあります。
いつの間にか話がミル貝にそれてしまいました。
飲みたいところを抑え、今回は酒なしです。
まずは、アラの刺身です。アラの刺身もこの辺では珍しい。アラはクエとも言いますね。九州の方では、バカでかいアラを鍋なんかにします。
勿論、一匹まるごとさばき始めます。
そして、アラの肝焼き。普通はこういう部分は捨てちゃいますね。
上等と言われる部位だけでなく、食べられるところは、できるだけきれいに食べることも大切だと思います。
こちらのお店はこういったものも普通に出てきます。
そして、今日の主役、ギンポウの仕込み中です。
まずは塩でそのままいただきます。
ホコホコ、身が厚く、案外歯ごたえもあっておいしい。
そして、ギンポウの天丼です。
ギンポウだけを使いました天丼はあまりお目にかかれないかもしれません。上品な丼たれも勿論自家製。ご飯も土鍋炊き、お米が一粒一粒しゃっきりとしてうまい!
天ぷら専門店とは技術の種類が違うかもしれませんが、大変おいしかったです。
何より、わざわざ良いものが入ったという連絡をわざわざいただいたという意気がありがたかったです。
親方、貴重なネタの情報をいただきまして、大変ありがとうございました。
このようなありがたいお話、いつでも参加させていただきます!