お手伝い先のレストランに伺いました
今回は、マグノリア コーヒーロースターズのコーヒーをお使いで、新規にオープンされたばかりのイタリア料理店にいってまいりました。
私自身が食べることが好きなこともあり、マグノリア コーヒーロースターズのお客様(卸)には、レストランの方がいらっしゃいます。
弊店にとって食をメインに扱うレストランは、重要な客先の一つなんです。
こちらのお店の内装は「ミシュラン東京レストランガイドブック」で三つ星のフレンチ カンテサンスさんのデザイナーの方がご担当されたとのこと。
基本カウンターのみのイタリアンですが、スタイリッシュで洗練されているというだけでなく、シェフの思いや実現されたい機能がよく表現されたインテリアだと思いました。
お寿司やさんのようなカウンターのお店ですが、まず初めに感心したのがロッカーです。
壁面を使って、お一人様に一つづつ用意されています。しかも容量もタップリ。
たとえ数名でのご来店でも、ネームタグがロッカーに貼られ、その方専用のスペースが用意されます。
とくにこれから冬になりまして、コートなど荷物が多くなってくる季節はうれしいサービスであります。お買い物帰りなどのときも重宝しますね。
程よいカジュアル感もありますが、料理のグレードはリストランテのものです。(リストランテの定義は意見が分かれるところですが)
まずはサバのサラダから。
そして、しっかりと作り込まれた料理が続きます。
ワインもイタリアワインのお手頃なものがグラスワインで(赤白3種づつくらい)お楽しみいただけます。勿論ワインセラーもありますので、ボトルでもどうぞ。グラスワインの品質もかなり高かったです。
特にグラスワインで出していただきましたマグナム瓶の赤。これはボルドーのグランクリュクラスを30年ほど寝かせて、その熟成がパーフェクトに進んだピークの感覚に似ておりました。
マグナム瓶のためより熟成がうまく進んだ可能性がありますが、いづれにせよグラスワインでこういった熟成感はとても珍しい。
熟成されてはいるのですが、若々しさがあり、果実感やフレッシュな感覚さえある味わい。ボルドーのようだけれども(実際飲んだのはボルドーではなく、イタリアの赤)、まるでブルゴーニュのような繊細な舌触りでありました。
カウンター席での食事でありますので、ライブ感がなかなかあって面白い。
シェフとお話しながら楽しい時間を過ごすことができます。
今回の目玉は日本ではお目にかかることはなかなかないクルーダイオーラという料理です。シェフがお店のオープン前の休暇を利用しヨーロッパを回られた際にミラノのラッテリアというレストランのシェフから教えてもらってきたというもの。
ミラノ滞在中にラッテリアというレストランの料理が気に入って通いまくり、最後は厨房にまでいれてもらってシェフに作り方を教えてもらった一品だそうです。
これがまた日本人からしますと不思議な料理でして、写真のように一見カレーか?と見間違うほどにちょっと濃厚感が漂っておりますが実際には爽やかさが効いてさっぱりした料理であります。
複雑な味わいですが、さっぱりした料理ですので、見た目とは違いたくさん食べれます。
イタリアンといいますと、素材中心の食べ応えの少ない(量のことではなく)シンプルな(すぎる)料理も多いのですが、こういった料理が出てきますと私などはほっとします。
黒トリュフのパスタ、ターター(タルタル)ステーキ、鱗をあえてつけたままカリッと調理した魚料理、メイン料理のポルチーニと牛すね肉の煮込みと続きます。
ドルチェはチョコレートをいただきました。
こちらのチョコレートもカカオの含有率が高く、爽やかさのある大人の味でありました。
こちらのお店ではマグノリアコーヒーロースターズのスペシャルティコーヒーをフレンチプレスで供していただいております。
弊店では、ご希望にもよりますが、原則としてそれぞれのレストラン様の料理の特長、属性、傾向を拝見させていただいた上で、シェフのお考えもお伺いし、料理の雰囲気やドルチェ、デセールとのペアリングを十分に考慮したブレンディングをお作りさせていただいております。
この辺りは弊店の得意とする分野でもあるのですが、今後さらにスペシャルティコーヒーと同時に食の経験も積み上げ、磨きをかけていきたいと考えております。
話がそれましたが、なかなかレストランでプレスをご採用いただくことは少ないのですが、「お客様に支持していただくことが前提に、他のひとがやらないことをやらないと勝負にならない」「面倒なことをやるから、そこで商売をさせていただくことができる」というシェフの言葉が印象に残りました。
料理、サービスなどシェフの神経が行き届き、すべての工程を少人数でやりきれるように考えられた素晴らしいレストランでありました。
*以上の料理、ワインはシェフにお任せでお願いしたものでありまして、その時々の素材の入荷状況、季節により同じものがいつもある訳ではありませんので、ご了承ください。(というより、ほぼ毎度変わると思います。)