スペシャルティコーヒー素材買付の旅 コロンビア編 ②
カピバラのステーキをたらふく食べさせていただいてから、農園を訪問しました。
今回のコーヒー生豆素材調達ためのカッピングでも、サンプルが並ぶ予定の農園の一つです。
ピタリートの町から車で約1時間程度走りましたところにある農園です。
こちらの農園は、エクスポーターとの協力関係で、生産プロセスなどで様々な試みをしている農園でした。
スペシャルティコーヒーを作るために大切な工程の一つである、プロセッシング(生産処理)です。
完熟したコーヒーチェリー(フルーツ)から、手摘みをし、コーヒー豆になる部分(フルーツの種子)を何らかの方法で取り出し、乾燥させるわけですが、その取り出し方、乾燥方法など様々なやり方があります。
これらの方法の違いや、管理の精密さなどでコーヒーの品質、味わいに大きな差、違いが生まれます。
普通のコーヒーとスペシャルティコーヒーの違いが生まれる重要な工程の一つですね。
こちらは、発酵槽のテスト。様々な条件でプロセッシングしたものをデータロガーで収集し、検証しています。
スペシャルティコーヒーは偶然には生まれません。意図して計画し、どういう工程を通していくのか精密に設計する必要があります。
これらの方法は、カテゴリーを細かく分けたり、農園やウェットミルごとのノウハウ、生産国独自のやり方などたくさんの種類があります。
そして、まだ実験途上のプロセッシングもまだ多くあり、条件を少しづつ変化させながらノウハウを蓄積していく、そういったことをテストしている農園でした。
天候を細かくデータロギングしていました。
糖度の差による味の出方の検証もされていました。このあたりは、多くの農園で行っているかもしれません。
バッグを使った新しい乾燥方法のテスト。
もちろん、ナチュラル・プロセスもありました。
アフリカンベッドが使われていましたが、密集度が低く、熟度も揃い、贅沢なナチュラルですね。サンプルカッピングが楽しみです。
農園のピッカーの方達と。
バスケットに入っているコーヒーチェリーの熟度、均一性を見ていただくと分かりますが、全員が熟練したピッカーの方達であり、十分な賃金が支払われていることがうかがい知れます。
よく「完熟チェリーだけを摘み」とありますが、実は様々な段階とレベルがあります。
もちろん完熟チェリーを摘むことだけで美味しくなるということでもありません。
これらのことは多くあるプロセスのひとつだということです。
しかし、たったそのひとつに手を抜けば、味に影響が出るということなんです。
順番が逆になりますが、下の写真がすぐそばで撮ったコーヒーチェリー(フルーツ)が木になっている状態です。
すぐ見て分かるのは、熟度がバラバラですね。
完熟しきった深紫色のものもあれば、まだ緑色の未熟なものまで様々な熟度のチェリーが混在しています。
ここから、熟度を目で見て手摘みしていくわけです。(標高の関係から、スペシャルティコーヒーを作るのに適した農園は、もともと機械が入れるような場所ではないことが多く、こう言った場所では、いづれにしても手で摘むよりありません。)
ピッカーの熟練度と手間がかかり、効率が決して良いとは言えないことはご理解いただけると思います。
生まれたばかりの子犬たちが三匹。ずっとチョロチョロついて回りました。
さて、農園視察もしっかりさせていただきましたので、山を降りて、ピタリートの町へ戻ります。
一旦ホテルに戻り、夕食までの時間を利用し、ピタリートの町を散策することにしました。
ピタリートは、小さな田舎町です。
派手なバスが走ってました。中南米の田舎に行きますと、こういう感じのバスをよく見かけます。
歩いていますと、良さげなお店が。
ちょっと寄っていけと言われたような気がしました。
夕食前ですが、向学のために少し寄ってみます。
案の定、とても良いお店でした。
ビールやウィスキーをスタンドスタイルで飲ませていて、つまみはスナック菓子くらいしかありません。地元の方達で賑わっていました。
色々な種類のコロンビアのローカルビールもたくさん置いてありました。
初対面の方とも、お酒が入ればすぐに仲良し。これは世界共通ですね。日本から来たといったら、じゃ飲んででけ!ビールをご馳走してくれました。ありがとうございます!
それでは、いよいよ夕食へ行きます。
ピタリートを知り尽くした、エクスポーターの社長が連れて行ってくれたのは、昼間とは違うステーキ屋さんでした。
とにかく、ブラジルも、コロンビアも他の中南米諸国も多分みんなメインは肉ですね。
暖炉のような釜で、串刺しにした大きな塊の肉を焼くのですが、これが旨いんです。
日本の肉のように柔らかくはないのですが、これが本来の肉の食べ方なんでしょう。
大きな塊の肉を大量のカロリー+遠火で一気に焼き上げて行きます。
ソースがかかっている方がフィレミニオン、焼きっぱなしの方がTボーンです。Tボーンの大きさ分かりにくいですが、横方向25cmくらい、一般的な日本のTボーンと比較しますと二倍くらいの厚さがあります。
みんなでワインを飲みながら、夜は更けていきました。
さて、明日は買付のカッピングをします。
スペシャルティコーヒー素材買付の旅 コロンビア編 ③へ続く