スペシャルティコーヒーの生産国へ ① エルサルバドル編
遅くなりましたが、今回のコーヒー生産国へ出張させていただきました旅について、少しづつアップしていきたいと思います。
今回は、成田からの出発便が機材トラブルでキャンセルされたりと色々ありましたが、1日遅れで中米のエルサルバドルのサンサルバドル国際空港に降り立ちました。
成田から、ヒューストンまで約12時間、エルサルバドルまでさらに4時間くらいかかります。乗り継ぎの時間もありますので、結構な移動時間になります。
エルサルバドルには、夜10:00くらいの到着でした。先発隊として入国していた方の出迎えを受けて、バスで多くのスペシャルティコーヒー農園が集積するサンタアナへすぐに移動です。2時間くらいバスにゆられホテルに到着、チェックインを済ませ、明日からの農園訪問、カッピングに備えます。
時差の関係であまり眠ることもできず、早々にホテル周辺を散歩。南国のホテルらしく、プールを備えたシンプルなところでした。
これまた、パンとフルーツだけのシンプルな朝食を済ませ、早速農園へ向かいました。
まずは、サンタ エレナ農園へ行きます。
火山によるカルデラ湖のように見えますコアテペケ湖の雄大な景色を横目に見ながら、山を登って行きます。標高はコーヒーの品質に与える影響が大きいので、おおよそスペシャルティコーヒーの農園までの道のりは厳しいものとなります。
中米は熱帯ですので、年中暑いのですが、雨季と乾季に分かれていまして、訪問したのは乾季ですので、だいたいこのように晴れています。色々行動するには、天候も大切です。
ほどなく、サンタ エレナ農園に到着。
標高は1400m-1750mくらい。栽培品種はパカスとブルボン、レインフォレスト アライアンス、JASオーガニックの認証を取得しているとのことでした。
標高があり、手入れが行き届いているため、サビ病の影響も少なく、コーヒーの葉の緑が青々として、良好なコンディションであることが伺い知れます。
サンタエレナは、購入することができましたのでお楽しみに。
次はミラバイエ農園へ。
ミラバジェ農園は、今から18年前にお医者さんでもあるハイメレイラさんによって引き継がれた農園です。
標高約1650m、スペシャルティコーヒーを作るための十分な高さがあります。栽培品種は多彩で、ブルボン、オレンジブルボン、パカマラ、カスティーヤ/ケニヤ、インヘルト(ブルボンの一種)など。
コーヒーフルーツを摘み取るピッカーは、おおよそ同じ人を連れてくるそうで、農園の隅々まで熟知した方があたるそうです。
そうすることで、効率があがると同時に、木のコンディションのフィードバックが的確に行われ、品質を高める一因になっています。
さて、初日よりもちろん買い付けのためのカッピング(テイスティング)も行いました。
これより、農園訪問とカッピングの日々が続きます。
ドライミル(脱穀をしたり、レスティング、パッキング等を行う)のカッピングルームをお借りしました。
エルサルバドルの品質の高さ、少し乱暴な言い方になりますが、バランスの良さを十分に感じることができるサンプルばかりでした。この時点では、サンプル番号だけが明かされており、農園名も価格もわかりません。
完全なブラインドでのカッピングです。
そして、カッピングした当日の夜か次の日に農園データ(農園名や価格など)の詳細が明かされ、実際にその場で購入する農園、数量を決めるという段取りになります。
カッピングも終わり、ドライミル(こちらは、ウエットミルも備えています)を見学させていただきました。
スペシャルティコーヒーの品質を得るためには、コーヒーフルーツの品質はもちろんですが、その後の生産処理も非常に重要なプロセスになってまいります。
このように大きなコーヒーチェリーを入れるための水槽(水は入っていないが、水流で次の工程へ運ばれる)が並んでいます。
この水槽がいくつかに分かれているのがミソですね。
No.1〜No.6まで水槽が分かれているのですが、スペシャルティグレードは6番のみということがわかります。
「コーヒーの品質を高めるためには偶然はなく、あらゆるプロセスで専用の道を通ってくる」ことを、こちらで書かせていただきましたが、工程のごく一部に過ぎないドライミルの1工程でも理解することができます。
私たちが見学にきたのを見て、デモとしてわざわざ機械を動かしてくれました。
コーヒーチェリーから、果皮が取り除かれていく様子です。(熟度がイマイチ揃っていないところから、スペシャルティではないことが分かります。)
そうこうしているうちに日も暮れてきました。
こちらは、コーヒーパーチメントを乾燥させるためのパティオになります。
夕食をいただき、1日目のスケジュールがやっと終わりました。
明日は、朝からカッピングです。