スペシャルティコーヒーはカンタンに、おいしくがテーマです!
以前、「スペシャルティコーヒーとは」を書かせていただいて、また日々のお客様と接客やレストラン様など業務用の営業を通して、もう少しわかりやすく「ほんとうのこと」をお話しないといけないと考えるようになりました。
あまり、高級だとか、格付けが一番高いとかお話しておりますと、「高級品だから値段も高いのでしょう?」とか「うちはマニアのお客様はいないから」等にもつながりかねません。
高級だとか、格付けのようなものをあえてつけるとすればスペシャルティコーヒーが一番頂点にあることは事実です。
しかし、だからと言って単純に「高級品」としてのみ認識されるとしたなら、お客様にとって、それはとてももったいないことだと思うのです。
理由はカンタンです。価値とは、中身(その商品の持つパフォーマンス)と価格の相対的な関係で計られるものだと思うのですが、価値を冷静に考えたときに、その商品がどのような競争力を持つかが重要です。
もしも、よりおいしくて、廉価(リーズナブル:適価)なものであったとするなら、そのものを万人に広く愛されるものにしたいと思います。
そしてもう一つ。焙煎や抽出という最終工程を考えたとき、日本のような消費国でできる工程はほんのわずかでしかないという事実です。
コーヒーの種子〜カップまでの長い旅(From Seed to Cup)を考えたとき、我々消費国の立場で品質のためにできることは、ごくわずかなほんの一部しかないということを直視する必要があると思います。
逆に言えば、生産国での品質管理体制に「おいしいコーヒー」のための多くの工程は依存されているとも言えるのです。
さらに、「カップクオリティを考えるとき、前工程の過ちは後工程で取り戻すことはできない。」
例えば、焙煎、抽出はとても重要な工程です。お客様の口はいる直前の工程ですから、ここでの間違いは決定的なものとなります。
特に焙煎はデリケートな作業で、再現性、安定性を持たせるのは容易ではありません。焙煎機によっても様々なキャラクターがあり、味に影響を及ぼします。
先端のロースティングの考え方は、従前のものとはかなり違ってきています。
しかし、お客様の立場にたって考えたとき、やはり「品質の高い生豆を用い、適切なローストをされたコーヒー豆」を入手されることで、問題の殆どは解決されるのだと思います。
そういう意味で抽出以外の工程はリテーラーでもある我々ロースターが受け持つことによって、お客様のリスクは最小限になると考えております。(極論すれば、おいしいホームコーヒーをお楽しみいただくために、お客様に実践していただくのは、信頼できる、お好みのお店選びと適切な抽出だけになります。)
以上のことを踏まえまして、もう少し深く「スペシャルティコーヒーとは」をお知りになりたい方は、次章「スペシャルティコーヒーとは①」に読み進んでいただければと思います。